和牛のステーキ
黒毛和牛を使った料理は全てのコースに付いています。
・黒毛和牛のA5ランク(最高評価)を使用しています。
・産地は日替わりです。近江牛、宮崎牛、鹿児島牛といったブランド牛になり、これらは仕入れ日によって変わりますが、全て最高評価のA5ランクで統一しています。
・使用する部位は肩ロース、カルビ、いちぼ、といった程好くサシの入った赤身の美味しい部位です。
画像のように赤身の中に、きめ細かく脂質が入っている状態を(霜降り)と呼んでいます。
この霜降り肉は
美しい見た目によって期待感を大きく膨らませ、
香りにおいて、甘くコク深く透き通った香りが気分を高揚させ、
食感において、舌の上でとろけていくまろやかで余韻深い口当たりが深いリラックスをもたらし、
味においては深く強い旨味と甘味があり、
これらが一体となって、確かな幸福感で私たちの心身を震わせてくれます。
- 食材: 近江牛, 牛イチボ, 牛肩ロース, 牛カルビ, 牛リブロース, 牛ランプ, 牛ロース, 佐賀牛, 宮崎牛, 和牛, 牛シンシン, 黒毛和牛, 牛ミスジ, 飛騨牛, 和牛上ロース
- 調味料: 黒糖, 濃口醤油, たまリ醤油, 白味噌, 黒コショウ(ブラックペッパー)
- 調理方法: 焼く, ミディアム(焼き方), 炭火焼き
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1,会席料理は、料理を楽しむだけでなく、文化を味わう料理です。その為、以下の項目を使い、文化的な料理を紹介していきます。
日本料理の中でも懐石料理は様々な細工が施されており、外国人だけでなく、日本人でも理解することが難しい料理です。それは、今、外国人に人気のある、寿司、ラーメン、焼き肉などのファストフードに近い料理には直接的に受ける強い刺激があり、食べる人がその良さを理解し易いのですが、懐石料理はそういった分かり易い部分だけではなく、文化という、端的に理解しがたいものを料理にしているためです。
では何故、このようなことがなされてきたのか? これを哲学的観点から、或いは物理的観点から、または生理学的な面から説明できますが、ここでは生理学的な観点から説明していきます。端的に言うと、これは自律神経系の交感神経と副交感神経に波をつけるためであると考えられます。
刺激の強い味は外部環境に対応する交感神経の働きを高めます。これを生理学的には闘争と逃走反応と言います。一方、刺激の弱い味は内部環境に対応する副交感神経の働きを高めます。これを生理学的には消化と休息の反応と言います。
波をつける理由は、例えば、魅惑的な刺激の強い香りを嗅いだ時、私たちは心地良さから反射的にもう一度匂いを嗅ごうとします。しかし、二度目に匂いを嗅いだ時には一度目の時ほど強い刺激を受けることはありません。そして三度目にはとても弱々しい刺激に喪失感を憶えます。これは強い刺激は感覚器官を疲労させやすいからです。ですので、暫く時間を空け、もう一度香りを嗅いだなら、一度目に肉薄する強い刺激を受けることができます。
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2、会席料理は、料理を楽しむだけでなく、文化を味わう料理です。その為、以下の項目を使い、文化的な料理を紹介していきます。
この一連の流れを生理学的に見ると、強い刺激は交感神経の働きを高めていることが分かりますし、時間を空けたことは休息にあたり、副交感神経の働きを高めていることが分かります。
強い刺激を受けた後に、もう一度同じ感覚を得るには感覚器官を充分に休ませることが不可欠なのです。
しかし、人は分かり易さゆえに、利便性の高さゆえに、或いは快感を憶えるがゆえに、無意識により強い刺激を求め続けます。これが習慣化した場合に人は社会習慣病を患うのかもしれません。
この生理学的観点を懐石料理に当て嵌めると、強い刺激とは分かり易い料理になります。そして、次々に供される強い刺激のある料理を充分に楽しむために、それぞれの合間に文化的な料理を供することで、感覚器官の休息に当てているのです。これがお客様にとっては分かり辛いことになるのです。
しかし、文化とは感覚が形になったものを指していますので、異なる時代や異なる国の感覚を理解するためには、感覚を研ぎ澄まして料理を味わうことと、事前に充分な知識を持っていることと、想像活動に当てる充分な時間が必要です。決して、瞬間的に理解できるものではありません。
分かり易く言うと、座禅を組んでいる時のような静かな心境を必要とします。座禅は仏教の一派である禅宗の修業の一つですが、懐石料理は彼ら禅僧が食す精進料理から派生した料理でもあります。
しかし、忙しなく生きる現代人にはマイナーな知識を蓄え、想像活動をすることはとても難しいことのように感じられます。ですので、皆様にとって分かり易い料理も提供し、それを理解の入り口としつつ、このページに幾つかの文化的な料理を言語表現で紹介し、皆様の理解に繋げていこうと考えています。
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3、会席料理は、料理を楽しむだけでなく、文化を味わう料理です。その為、以下の項目を使い、文化的な料理を紹介していきます。
それでは次に、日本料理の根幹である出汁を題材にして、料理屋を取り巻く環境が構造的に作られていることを紹介していきます。
日本料理の根幹には出汁があります。この出汁の素材は主に鰹節と昆布を組み合わせる場合が多いです。
この鰹節の味と香りは刺激が強く拡散的であるため、日本人であれば誰でも容易に思い出すことができ、その感覚を言葉で表現することもできます。しかし、昆布は異なります。日本人でもその感覚を思い出せる人は限られ、言語表現に至ってはできる人に出会うことは稀なのです。
この理由はとても簡単で、鰹節は時間単位当たりの刺激が強いが、昆布は時間単位当たりの刺激が弱いからです。しかし、持続性の観点からは鰹節は短く、昆布は長いという特徴があります。
つまり、鰹節は時間ではなく空間的な認知がなされ、昆布は時間的な認知がされるのです。ここに、ベクトルの異なるものを合わせることでそれぞれの良さを活かす意図が構造的に組み込まれていることが理解できます。
これを生理学的に見ると、鰹節は交感神経を高め外部環境に適応するため、昆布は副交感神経を高め内部環境を整えるために摂取すると観ることができます。
この鰹節と昆布のような関係は、懐石料理の一品の中にも、またコースとして全体的にも構造的に組み込まれています。
そして、それは料理に留まらず、料理を取り囲む外部環境にも組み込まれており、日本文化の至る所にみられます。
例えば、
坪庭にある、庭石と植物の関係。庭石には目を惹く石とそうでない石があり、植物にも花と葉、或いは緑と枯れ色があります。
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4,会席料理は、料理を楽しむだけでなく、文化を味わう料理です。その為、以下の項目を使い、文化的な料理を紹介していきます。
食器においては、磁器と陶器の関係が当たります。更に具体的に見ていくと、色の施されたものと無地のもの、形の独特なものと丸い平皿。更に、磁器と陶器以外に、ガラス器と漆器もあります。
このように分かりにくいものを昆布のようなもの、分かり易いものを鰹節のようなものと呼ぶならば、
何かの専門化の説明は専門用語ばかりで理解しがたく、昆布のようなものと言えますし、仲介に入った人の使う平易な言葉は分かり易く、鰹節のようなものと言えます。
日本にはアニメや漫画文化がありますが、漫画は分かり易い鰹節のようなもの、反対に純文学は分かりにくい昆布のようなものとも言えます。
当店に来店された折に、料理を味わい、部屋を眺め、庭に足を運ぶ中で、鰹節のようなものと昆布のようなものを意識的に探すならば、きっと幾つも見つけることができるでしょう。そしてその小さな探求が異文化を理解する道となり、その道を歩くことがあなたの楽しみの一つになるのではないかと思っております。
その道程であなたはきっと、自分らしい感受性に気付くでしょう。そして同時にそれを個性であると。
視覚で認識できる、分かり易い表現、或いは様々な表現方法は外部環境における個性を指すものであり、より瞬間的に、より大きな刺激を与えるものほど個性的であると社会は評価している。つまり分かり易さこそが、或いは利便性の高いものこそが最も個性的であると理解できるようになります。
しかし感受性は内部環境の個性であると気付くのです。そして同時に、内部環境の個性はより小さな刺激を感じ取り、脳の記憶と結びつけ、脳裏に描かれる感覚(情緒)をより長く記憶できるか。つまり、忙しい現代人にとっての分かり辛さこそが個性的であると理解できるでしょう。
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5,会席料理は、料理を楽しむだけでなく、文化を味わう料理です。その為、以下の項目を使い、文化的な料理を紹介していきます。
あなたの感覚器官が受け取った小さな情報と、あなたの脳内に蓄えられた豊かな知識が静かな時の流れの中で結びつき、脳内でひらめきのような一つの感覚を生み出します。その感覚的に写し出されたものがあなたの感受性そのものを写し取っているのです。
あなたは写し取られた感覚を解明しようと試みます。そしてあなたの脳内に蓄えられた豊かな言葉の中から写し取った感覚に似通った言葉を当てはめていくでしょう。そうやって何度も言葉を当てはめていく内に、やがてピッタリの言葉を見つけ歓喜するのです。
その時、あなたはきっと、確信に満ちているはずです。そして同時に戸惑いも憶えることでしょう。目の前の景色が、小さな情報を感じ取っていた際の暗くぼやけた世界に比べ、いやそれ以前に、これまでの日常で見えていた景色よりも、より明るく、より鮮やかに感じられているからです。
生み出された言葉は、あなたが内部環境を旅して探し出した宝物です。社会に溢れた一般化された言葉ではなく、独自性の高い言葉です。この宝物は小さく、分かり辛く、社会的に評価されないかもしれませんが、あなた自身が最も理解できる個性なのです。
そしてあなたは、この機械化の進む社会、グローバル化の進む社会、利便性の高まっていく社会、均一化していく現代社会の中にあっても、そしてこの流れがいかに進もうとも、自分の自立性が恒久的に守られていることを確信し、社会の流れを許容できるのです。
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1,ぜんまいの信太煮
新潟県、北魚沼から届いた極太の干しぜんまいを丁寧に戻していきます。一晩水に漬けてふっくらと戻し、一昼夜かけて湯がきます。その後一晩、水に晒して雑味を除き、油揚げで巻き、干ぴょうで結びます。そこからたっぷりの出汁を使い、さらに鰹節を足して一昼夜掛けて炊いていきます。味付けは淡口醤油と砂糖のみですが、鰹節の豊かな香りと味が感じられる料理です。
料理時間がとても長く掛かる上に、古い料理ですので、いまではこれを作る人はほとんどいません。
まず、ぜんまいというのは春に採取される山菜のひとつです。他の山菜が生の状態から下処理するのに対して、ぜんまいは一度、天日で干して、干したぜんまいを手で良くもんで柔らかくしなければなりません。これらの作業は農家の方がされます。私たちはこの干しぜんまいを使い、時間を掛けて料理します。
次に、信太煮の由来について説明しますが、これは大阪にある信太山にまつわる葛の葉伝説に由来します。
およそ1000年語り継がれる葛の葉伝説は、大阪の信太の森を舞台にした物語です。安倍保名(あべのやすな)は、狩人に追われていた白狐を助けます。その後、彼は葛の葉(くずのは)と名乗る女性に看病され、やがて恋に落ち、一児の童子丸をもうけます。しかし、童子丸が5歳の時、母である葛の葉の正体が白狐であることが明らかになり、彼女は姿を消します。別れの際、障子に「恋しくば たづねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」と詠んだ和歌を残しました。後に、童子丸は安倍晴明となり、陰陽師として名を残します。
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2,ぜんまいの信太煮
この物語は、1000年語り継がれ、浄瑠璃や歌舞伎、料理では信太うどん、信太寿司、信太煮などで知られ、人々の心に深く刻まれています。
料理に関しては油揚げが使われる料理が信太山の葛の葉伝説に因んで信太の名を冠することがあります。これは狐の好物が油揚げだとされているためです。
つまり、狩人に追われた苦い経験と家族との別れをぜんまいの苦味の強さや下処理と料理の手間暇で表し、幸せだった家族の生活をたっぷりの砂糖と鰹節のうま味が沁み込んだ好物の油揚げで表しているのでしょう。拭い去れない苦い経験が家族愛で包み込まれた様が、画像の料理の形にされて、この物語の中にある様々な感覚を現代に伝えているでしょう。
今では手間が掛かるという理由や、この伝説を知る人も少なくなり、あまり作られることはなくなりました。しかし、当店では晩春から初夏にかけて、干しぜんまいが手に入る季節には、手間を惜しまず、この料理を作り続けていきます。
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伝統的な真鰯の料理の紹介
1月から2月にかけて脂ののる冬の鰯と6月から7月にかけて脂ののる入梅鰯の料理一例。
魚の旬は大抵の場合、一年に一度ですが、日本近海を回遊する種の中には二度、旬が訪れる種もいます。
この入梅鰯もそのケースです。
理由は6月から7月にかけて南の海上にできた梅雨前線が日本列島を北上します。この時期の雨は温かい雨です。ですので、海面を叩く雨は海面の表面を温めます。これによりプランクトンが豊富になり、この時期に回遊する魚種がこれを食べ肥えるのです。
入梅鰯という名は日本の気候由来になります。
鰯の梅煮と鰯の小袖寿司
鰯の梅煮はたっぷりの酒と水に濃い口醤油と砂糖で甘辛い味付けにします。その際、梅干しを数個、入れて炊きますが、これは梅干しの酸で骨を柔らかくするためです。ですので、4時間ほど弱火で炊くと、骨ごと美味しく食べられるようになります。
鰯の小袖寿司は梅煮にした鰯を使います。炊いた鰯を半身にし、棒状にしたすし飯に重ねます。その際、すし飯と鰯の間に梅干しのペーストを挟み、爽やかな酸味と香りを加えます。小袖寿司の小袖は着物の袖口の形に由来しています。
どちらも伝統的な日本料理です。
ご来店の際に、懐石料理の中にこの料理を見つけられたなら、このエピソードを思い出しながら食べていただくと、より一層、味わい深いものになると思います。
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1,天然 赤わらびのわらび餅
作り方は、裏ごしわらび1、くず粉1、昆布出汁5、酒1、塩ひと摘み、砂糖お好み、を練る。ラップに取り丸め、結んで氷水で冷やす。水物ではなく八寸の小鉢で提供していますので、昆布出汁ベースの旨酢をかけて提供しています。
6月に入ると、赤わらびが魚沼から入荷し始めます。赤わらびとは生の状態で赤黒や赤茶を帯びたわらびを指し、日当たりの少ない山奥で採取されます。一方、5月上旬から入荷していた青わらびは、日差しの強い山の麓で採取されるもので、名残の季節を迎えます。そのため、山菜採りの農家が山奥へ分け入っていく様子が目に浮かびます。
この赤わらびは容器に入れ藁灰をまぶし、熱湯を注ぎ密閉し、4時間ほど置いておくと、一本ずつ或いは部分ごとに差はありますが、緑青、赤紫、青紫など元々の色に従ってメタリックな艶めかしい色に変わります。
この色の出たわらびをミキサーにかけ、裏ごして使います。味や風味において、馬鈴薯の粉やわらび粉を使った一般的なわらび餅との違いはとても淡いものになりますが、仄かな苦味が爽やかに感じられるのではないかと思います。また色は画像のような青みがかった緑になります。
この青みがかった緑が、梅雨を迎えるこの季節、里山で生きる人々の目に映る山奥の景色を写し取っているように思えます。何故、そのような連想を抱くのか。この赤わらびの葛豆腐のような「濡れた光」を放つものを目にする度に、淡い疑問が心に積もってきたように思います。
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2、天然 赤わらびのわらび餅
当店の坪庭もこれに似ています。新緑の季節が過ぎ、様々な樹木が枝を伸ばし青々と葉を茂らせる姿は深い森の中を連想させます。雨が降ると殊更、葉や苔の緑が深く感じられます。
そして、雨上がりの日射しが空を覆う樹木を透かし、雨露に濡れた苔を差す時、この赤わらびの葛豆腐のように濡れた光を乱反射させます。
濡れた光を放つものを見ると、ひと目では焦点が定まりません。対象の輪郭が容易に捉えられないからでしょう。しかしこの僅かな「間」が、人の想像を膨らませる余地を生んでいるのではないかと、今では感じています。
透明な葛豆腐、ゼリー寄せ、煮物椀、みずみずしい造り。或いは
琥珀、濡れた瞳、SLの塗装、水槽の金魚、ジョジョの奇妙な冒険の画風、
そして雨上がりの森の中。
これらは皆、潤いの満ちた感覚を憶えさせ、時間への飽くなき渇きを満たしてくれるかのように感じられます。
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